7人目:ヴェネツィアでほろ酔い
ヴェネツィアの水上バス、ヴァポレット乗船時に有効なチケットを持っていなかったことで、€50の罰金を取られた日曜の昼。
ダニに刺されて体中かゆい。いらいらしながら、16時すぎに駅でGと待ち合わせた。
G(36)
ナポリ出身
ミラノ在住
システム会社のプロジェクトマネージャー
スペインやロンドン、スイスで就労経験あり
Gは昨夜からメストレの友人宅に遊びに来ていて、今夜ミラノに戻るらしい。
その途中で、私と会ってみようとなったわけだ。
メストレの友人宅でのランチにも誘われたが、Gにまだ会ったことがないにも関わらずその友人・家族の集まりにいきなり行くのは勇気がいる。
なんで誘ってきたんだろう、謎すぎる。
イタリア人ってみんなこんなにフレンドリーなの?
G「なつこ、はじめまして!」
Gは、ひげもじゃ。寒いのでニット帽をかぶっていた。
冗談を言うのが好きで、人種ネタジョークなども恐れない。
昔アンダルシアにスペイン語留学に行っていたころ、語学学校で出会った日本人の友人が何人かいるらしい。
Gは今夜ミラノに帰る身のため、ヴェネツィアにいられるのは数時間。
一緒に軽く飲みに行くことにした。ローカルの食べ物や飲み物を教えて!と伝えると、
G「おれはナポリ出身だからヴェネツィアのローカルじゃないけど、来る前にヴェネツィア出身の友人におすすめのお店聞いておいたから行こう!」
頼もしい。と思ったのもつかの間、
グーグルマップを頼りに歩き始めるが、残念ながらGは方向オンチ。全然頼もしくない!
私は地図を見て歩くのは自信があるので、お店を教えてもらってようやく17時頃たどり着いた。
イタリア・ヴェネト州(ヴェネツィアがあるところ)で生まれたアペリティーヴォという習慣に、欠かせないドリンクがアペロール スプリッツ。
とGから教えてもらって、甘口と辛口両方試してみることに。飲みやすい。楽しくなってほろ酔いに。
アペロールスピリッツを二杯飲んで街歩きをしながら、話した。
Gから勧められた、ヴェネツィアのシュークリームのようなお菓子、ビニエも美味しかった。
ヴェネツィアはロマンティックな街。デートや新婚旅行にぴったりである。歩いていてもカップルだらけ。
他愛のないことを話しながら、誰かと一緒に歩けるのが楽しかった。
歩きながら、Gのふるさとのナポリのこと、今住んでるミラノのこと、Gの日本人の友達ユウコの話などをいろいろ聞いた。
Gはなんと、私の勤め先と一緒に協力しながら仕事をしているとのこと!
ありゃ、まあ!びっくりして一瞬固まってしまった。世間は狭い…。
Gが冗談いってばかりで、笑って楽しかった思い出だけ残ってる。
数時間話して街歩きを楽しんで、そろそろ電車乗らなきゃ。という時間になった。
私は数日あとにミラノへ行く予定があったので、Gと再会を誓った。
G「ミラノ来た時、おれの部屋に泊っていいよ。一緒にディナー行こう。」
なつこ「いや、もうホテルは押さえてるから大丈夫。ごはん一緒に行こうか。ミラノでまた会おうね!」
泊っていいと言われたって、今週は生理だしむり。もし生理じゃなくても、むり。
私、保守的な女なんです。
Gは方向オンチなので、駅まで一緒に歩いて送ってあげた。また数日後に会える友達ができたぞ。楽しみ。