旅のトラブル(イタリア編 その1)
ついてない。
本当に運が悪い。
ヴェネツィアの水上バス、ヴァポレットで罰金 €50! 取られた。
乗船時に有効なチケット(一回券:€7.5)を持っていなかったからだ。
どうすればよかったのか。あれは、致し方なかった。
それは日曜の朝。ヴェネツィア二日目。
私はヴェネツィアのジュデッカ島の宿を出て、中心市街地であるサンマルコ広場へ出ようとしていた。
ヴォポレットのチケットが購入できるタバッキ(イタリアのコンビニのようなもの)は私の宿の近くにはひとつしかなく、日曜日であったためそのタバッキは閉まっていた。
チケットが買えないまま、ヴァポレットに乗り込んだところ
チケットチェックのスタッフが来て、
スタッフ「チケットを見せろ」
と。
なつこ「乗船前にチケットを買いたかったんですが、ジュデッカ島のタバッキが閉まっていて買えなかったんです。」
スタッフ「じゃあ、罰金ね。€57.5 出して。」
なつこ「いや、だから説明した通り、私は乗船前にチケットを買いたかった。けれど、ジュデッカ島のタバッキが閉まっていて買えなかったんです。いま、チケット代の€7.5払わせてください。」
スタッフ「乗船後すぐ、船を運転している人にそれを説明した?」
なつこ「いえ。忙しそうだったので。いま、まさに行こうとしていました。払おうとしていました。払おうと思っていました。」
スタッフ「はい、すぐ行かなかったあなたが悪い。今払うべきはチケット代じゃなくて、罰金ね。€57.5 出して。」
なつこ「いえ、でも島のタバッキが日曜日で閉まっていて買えなかったんですよ。」
スタッフ「文句言わず早く罰金払え。€57.5! カードと現金どっちがいい?」
スタッフが声を荒げるので、他の乗船客からの視線が集まる。
周囲は、あーこいつ見つかっちゃったな。運悪かったね~。という雰囲気。
(なつこ、仕方なく手持ちの現金€60を出す。)
スタッフ「おつりがないな。今、€10しか持ってない。あなた、€7.5持ってるでしょ?」
なつこ「ありません。」
スタッフ「じゃあ今回はディスカウントね。はい、おつり。」
と言って、€10を返してもらった。
ん?罰金にディスカウントって何?
あのスタッフ、私が現金で払ったのをいいことに、まさかあの€50を
自分のポケットにしまうんじゃ・・・?
と思わざるを得ない瞬間だった。こいつ真面目に仕事してないんじゃないの?
最悪。運が悪い。
ヴァポレットに乗らないとどこにも行けないという、アクセスの悪いジュデッカ島の宿を選んだことを心から悔やんだ。
それに加え、
前日滞在していたボローニャのホステルのベッドで寝ている間にダニに刺されて、
背中や手足が十数か所もパンパンに熱をもって腫れていた。
二週間はひきずりそうな熱を持った腫れ具合だ。
こんなにも酷くダニに刺されたのは、人生二回目だ。
アメリカにホームステイしていた時のベッドでも刺され、熱を持った腫れが二週間続いた。
冬の旅であるため、日本からかゆみ止めも持参してきておらず、つらい。
まず、ヴァポレットを降りたら薬局に行ってかゆみ止めを買おう。
旅の体験記を書くことを選んだ以上、旅の失敗談はネタとして、感謝すべきか。
失敗のない人の旅行記なんて、面白くもなんともない。