5人目:映画「Before Sunrise」のような夜 in フィレンツェ
フィレンツェから小旅行で、美しい塔の街:サン・ジミニャーノを訪れ、世界一美しい広場で有名なシエナで一泊した。
イタリアの魅力はこういう小さな街にある、と実感した。
バスを乗り継いで自力でまわったのは、ちょっとした冒険旅行のようだった。
シエナは本当に美しい街並みが見れるところだよ!
と、写真家の友人に勧められたので行ってみたが、広場の中心の塔のてっぺんへ登って上から見た景色が忘れられない。
塔のてっぺんへ登るのは狭い石の階段を通じてのみ。いったいどこまで続くんだろう、と長い長い階段をのぼりながら、
「これは年取ってからの旅行じゃ、辿り着けない場所の一つだな。」
と、いま元気があるうちに来れたことをうれしく思った。
絶景だった。シエナ色の街並みが一望できる。その先にはのどかな田園地帯。
翌日はシエナから電車でピサへ移動し、有名なピサの斜塔の前で写真を撮った。ジェラートが美味しい、良いお天気の日だった。
ピサからフィレンツェへ戻る電車の中で、今夜会う予定のAとやりとりしていた。
A「フィレンツェを案内するよ、まかせて。素敵なレストラン予約しておくね。」
プロフィールからみるに、Aは外国語とくにスペイン語、そして異文化交流に興味がありそうな好青年といった感じ。
複数ある写真も、笑顔が素敵な好みのタイプ。
あまり期待してはいけない、でもフィレンツェへ戻るのが楽しみになってきた。
プロフィールにイタリア語で職業も書いてある。どれどれ、google translateを使ってみると、「空軍」だとさ。
ふーむ、イタリアの軍で働くってどんな感じなんだろう。短髪で好青年っぽく見えるのは、軍の規律から来るものなのね。
19時にフィレンツェのドゥオモの前で待ち合わせるも、人が多くてなかなか見つけられない。結局15分くらいかけて、落ち合うことができた。
初めのあいさつで、普通のイタリア人のように頬にキスはせず、握手のため手を差し出してきたので少し驚いた。
私が外国人だから、配慮してくれたらしい。よくわかっているじゃないか。まあ、私はスペイン語圏に留学してたのでキスのあいさつも抵抗ないんですけどね。とスペイン語で伝えると、彼もスペイン語を話せるので面白がってくれた!
A「スペイン語を話すアジア人、初めて会ったかも!」
お互いに親近感がわいた。
食事に行く前に、まずフィレンツェの街を案内してあげる。と言ってAとウフィツィ美術館のほうへゆっくり歩き出す。
お互いの自己紹介をしながら、街並みを解説してくれた。
いいガイドさんっぷりですね!こういうの、楽しいぞ~。
A「フィレンツェのちょっとした情報を教えてあげる。」
ヴェッキオ宮殿の入り口の前には二体の彫刻がある。
ミケランジェロのダヴィデ像のレプリカ、そしてバッチョ・バンディネッリのヘラクレスとカークス像。その、ヘラクレスとカークス像の後ろのあたりにある、ヴェッキオ宮殿の外壁をよく見ると人の顔に見えるものがある。
A「ここをよく見て。人の顔があるよね。この顔を壁に彫ったのはミケランジェロだとか。手を後ろにして見ないで彫ったらしい。」
なつこ「面白い、たしかによくみると人の顔がある。言われなきゃ気がつかなかったよ。」
彼は、イタリア南部のナポリ出身。仕事でフィレンツェに住んで5年。31歳。
空軍では新人の教育担当をしている。
両親はナポリにいる。姉はローマに住んでおり二児の母の専業主婦。妹はミラノで働くキャリアウーマン。Aは姉妹がおり、地理的にもフィレンツェはミラノとローマの真ん中に位置するため、二重の意味で真ん中にいるというわけだ。
兄と弟に挟まれて育った私は、
「わたしたち、お互い兄弟姉妹の中で真ん中の子だね!」
と言って、また親近感がわく。
Aの英語は流暢。スペイン語も。
英語を習得したのは、軍の合同訓練でアメリカの空軍と数年過ごしたから。スペイン語は元カノがフィレンツェに留学に来ていたメキシコ人だったため。なるほど。
A「なつこは初めて海外に住んだ、アメリカではどんな文化ギャップを感じた?」
初めて外国に住む経験は、文化ギャップを大いに感じる瞬間だ。
アメリカいたの5年前だしな、、何が衝撃的だったかな。と考える。
なつこ「大学院に留学していたときの授業なんだけど、生徒が積極的に手を挙げて質問して、インタラクティブに授業が進んでいくのに驚いた。発言しないと自分がその場にいる意味がなくて、毎回授業の中で何か発言するために予習して。事後課題も多くて大変だった。いいトレーニングになったけれども。
あと、あいさつの握手のときに相手の手をぎゅっと握ることも私にとっては文化ギャップだった。日本ではあいさつで握手しない。ボディタッチが全くないんだ。人と握手することがあったとして、ぎゅっと握ったりしない。かるーくゆるーく手を握るだけ。だから、アメリカ人との握手で手をぎゅっと握られて驚いた。
日本人は家族や友達同士でもハグしない。声かけあうだけ。ただ、私は留学経験を経てハグが好きになったから、私は日本で家族や親友とハグする。皆、それはなつこの文化だと思ってくれている。一般的に日本人は人前でハグしない。恋人同士でさえ。」
30分ほどかけてゆっくり歩きながら他愛ない話をした後、彼いちおしのナポリピザの店に入った。
ここで、いいレストランを事前に予約してくれていたわけではなかったと気が付いたが、まあナポリっ子とナポリピザ食べるのも経験として悪くない。
カジュアルだけれど良しとしよう。
A「イタリアにきて、ピザ食べてみた?」
なつこ「いや、まだ。一人旅だし、ピザ一枚全部食べ切れる気がしなくて。」
A「イタリアではピザは分け合うものではなくて一人一枚なんだよ。ナポリピザでなければ大きくはないし。」
なつこ「それは知らなかった。でもAのおかげで、初めてイタリアでピザ食べる。楽しみ。」
Aはビールもピザも選んで注文してくれた。
イタリア独特の食文化ルールがいくつかある。
―――
・カプチーノの朝だけの飲み物。
・ピザは一人一枚オーダー。
・ピザを食べるときに飲むのはワインではなくビール!
・魚介類のパスタにはチーズをかけない。
・レストランではワインと水の両方を注文。
・サラダのドレッシングはない。オリーブオイル・バルサミコ酢が出されるのでお好みでかける。
―――
などなど。
Aの注文してくれたピザは、とにかく大きかった!
トマトソースのマルゲリータ、と
ミニトマト二種がのったトマトのピザ。
いわゆる日本人がイメージするシェアサイズのサイズなんだけれど、生地の真ん中が薄い・やわらかい。
これがナポリピザか~。Aが食べるのを真似て、手で食べる。
イタリア人は普通のピザはナイフとフォークで器用に食べるけれど、ナポリピザは別なのかな?
確かに真ん中のほう生地が薄すぎて、これはナイフフォークで食べるのはきついな。いずれにせよ、ピザは手で食べたい私にはありがたい。
美味しい!
意外にも、一枚ずつ食べることができてしまった!
でも、本当におなかいっぱい。。。
ビール2杯を飲んだこともあり、炭酸でおなかがさらにいっぱいになっているのを感じた。
Aがおすすめするもんだから、イタリアンスタイルで食後にエスプレッソを飲んでしまった。もう21時過ぎてるというのに。カフェイン耐性がない私は、普段16時以降はコーヒーを飲まないことにしている。夜眠れるか不安だった。
が、Aと同じことをしてみたくなったのだ。わたしのフィレンツェガイド、ナポリっ子だけれども。すっかり心許していた。
Aは笑顔で明るくて、下心もなくて純粋に友達として外国人の私に興味を持ってくれているのを感じた。笑顔でハンサム。外国からの友人を楽しませたい!という、おもてなしの心を感じる。
質問の一つ一つも好奇心と知性を感じる。こういう人との会話、食事は楽しい。
お互いおなかいっぱいになりすぎて、このあと二軒目いって飲みなおそうか、というよりも少し夜の街を歩きたい気分だった。少しは消化しなくては、今はワインすら入らない。
また夜のフィレンツェの街を歩く。あてどもなく。いろんなことを話しながら。
私は大学時代に映画研究のクラスで観た「Before Sunrise」(1995)をふと思い出した。私の大好きな映画の一つだ。
街を歩いて話しながらお互いの人生観・価値観を分かち合う。セリフの一つ一つが示唆に富んでいて。こんな出会いしてみたい、と思っていた。今の自分を重ね合わせる。
ーーー
(あらすじ)
アメリカ人青年ジェシーと、ソルボンヌ大学に通うセリーヌは、ユーロートレインの車内で出会った瞬間から心が通い合うのを感じる。ウィーンで途中下車した2人は、それから14時間、街を歩きながら語り合い…そんな自然な会話の中から、彼らの人生観、価値観、そして心の奥の微妙な揺れ動きが見え隠れする。
ーーー
歩いてきて道が分かれていたら、
A「どちらへ進みたい?」
と聞いてくる。
気の赴くままに私は道を選ぶ。夜のフィレンツェの街並みは、またいっそう美しい。ローマでも夜の街歩きが楽しかった。
フィレンツェは街の規模がローマよりこじんまりとしていて、遺跡はないもののこれまた街じゅう美術館という雰囲気が漂っている。
A「イタリア人とキスしたことある?」
なつこ「ううん。したことないよ。どうして?」
キスしたいんだろうな、と彼の意図を感じた。Aは話題を変えた。
さらに歩いていくと、道が三つに分かれていて、
まっすぐ歩こうとしたがその先には激しく(けんかのあと?)キスするカップルがいた。
いかにもイタリア人らしい愛情表現だ。その道を避けて私たちは右へ曲がる。大通りだが、少し暗かった。
A「日本ではカップルが人前でキスしたりしないの?」
なつこ「ないね。ハグもめったにない。PDA(Public Display of Affection)はほとんどない。」
Aは立ち止まった。
A「キスしてもいい?」
Aとは、心が通じ合っているのを感じた。まだ出会って3時間ほどだがその会話から誠実さを感じ、人として惹かれていた。
なつこ「いいよ。」
というとAの顔が近づいてくる。
が、私は緊張で笑っていた。いつもそうだ。ロマンティックなシチュエーションに慣れていなくて。どうふるまっていいか分からなくて。その緊張の表し方が、この意味のない笑顔。
A「おかしいな。口では良いと言っていても、表情はそうじゃない。逆だ。」
Aは、キスしなかった。
少し酒が入って酔っていればリラックスできて、よかったのかもしれない。わたしたちは酔ってはいなかった。
A「このあと、うち来て一緒にワイン飲まない?
トラムで15分くらいなんだ。Airbnbのホストやってるし、部屋は広くてきれいだよ。」
やっぱり。チャンスがあればだれでも誘ってくる。
友達だと思っていたのに。
でも、Aは私にとって特別。ほかの人とは違う何かを感じる。心が通い合っているのを感じた。
なつこ「考えさせて。」
とりあえず、私たちはトラム方面へ歩くことにした。
トラム乗り場に着いたとき、トラムが目の前で発車してしまった。
次の便は20分後らしい。その時点で22:30頃。終電も近い。
Aはトラム乗り場で次の便を待つ気だったが、私にとっては寒い中ただトラムを待つのはつらく感じられ、飲みたかったので近くのアイリッシュパブへ行くことに。
アイリッシュパブでは、ギターとベースとドラムのバンドの生演奏を聴くことができた。ここでもビールを飲んでさらにおなか一杯に。
隣に座って、音楽を聴きながらビールを飲んで、会話も少なくなってきた。
A「きみは美しい。ほんとうに美しい。」
と言い、ボディタッチは遠慮がちだった。つくづく良い人だな、良い人過ぎて機会を逃しそう。
なつこ「ありがとう。」
そのとき私の頭の中は、
はいはい、ありがとう~。
「きみは美しい。」の意味するところ、つまりそれは「やりたい。」
にしか聞こえない。 かるく流す私って、ほんと冷静だなー。
おなかいっぱい、ビールもうはいらない、おなかぱんぱんなところ見られたくない、
つかれたのでそろそろ帰りたい、
もし彼の部屋に行ったら今夜中にホステルへ戻るのは無理、
明日は朝からウフィツィ美術館行きたい。
人の家で寝るのは気を遣うので苦手。
今日は木曜の夜。彼は明日朝から仕事だし。
お泊りセット持たずに行って化粧落とせないのもつらい。
しかし、彼はとても素敵だし好みのタイプ。会話してみて、
こんなに特別なものを感じる相手にはそうそう出会えるもんじゃない。
期待せず会ってみたら、大当たりじゃん。ちょっと、ときめいた。
はて、どうするか。
と、現実的なことばかりめぐっていた。
トラム終電の時刻が近づき、店を出てAは私のホステルの前まで送ってくれた。
A「最後のチャンスだよ。もう一度聞く。うち来ない?」
なつこ「・・・ごめん、わたしにはできない。おやすみなさい。」
ハグもキスもせず別れた。
最後まで、私が違う文化圏から来たことを理解して尊重してくれる良い人だった。
いい人すぎる。もう少し強引だったら押されていた、流されていた。
それは、彼の行動次第だった。
結局、彼の家に行かなかったことを後悔してか、食後にエスプレッソを飲んでしまったからか。
その晩はホステルのベッドに横になっても一睡もできなかった。遅くまで歩いて身体的にはひどく疲れていたのに。
冷静に考えた結果、お断りしたのに。Aのことを忘れられなかった。何もしなかったからこそ、心に強く残っている彼の印象。
あのとき、トラムのドアが目の前で閉じずにぎりぎり乗れていたら、
流されて彼の家に行っていただろうか。これも運命か。やり直すことはできない。
こういう一人旅で予定を詰めすぎるのは良くない。
明日、ボローニャへ移動する高速鉄道のチケットを買っていた、ボローニャのホステルも予約していた。朝10時にはウフィツィ美術館の予約を入れていた。
それが心の奥底にあって、突発的な行動を邪魔したのか。
あともう一日フィレンツェにいれば、明日の夜Aにまた会えるかも。いろいろな可能性を考えて眠れなかった。
ーーー
そのあともAと連絡を取り合っていて、一か月後の再会を誓ったけれど
色々なことが重なって結局会えずじまい。これも運命か。
いまになって振り返ってみると、もう後悔はなくて。
旅の途中でときめきがあって楽しかったな~。くらいの、いい思い出です。
2人目:イラン人とのローマの休日
イタリアンシェフと深夜まで食事した翌日はホステルでよく寝て、昼から活動開始をしようとしていた。
ローマ観光は、実質2日目にあたる。
さて、今日も何か面白いことないかな~。
と考えながら街に出る。とりあえず有名な観光地、コロッセオへ向かって歩いた。
滞在先のホステルはテルミニ駅の近くであったため、コロッセオまで徒歩15分ほど。
冬だというのに、いい天気。
雪国、曇天が当たり前の環境で育った私にとっては、いい天気は身に染みるほどありがたい。
ローマの太陽の日差しに感謝しながら歩き始めた。
コロッセオに着いてみると、うわさに聞いた通りの大行列。
私は今回1週間ほどローマに滞在する予定だったので
いつでも行けるしまた日を改めよう、とすぐその場を去って近くで食事をとることにした。
今日のお相手は、15時にパンテオンの前で待ち合わせる予定だ。
WhatsAppアカウントを教えていたので、通話・テキストもできるが、彼はテキストをあまり使わずに、音声を録音して送ってくる。
こういうの、国民性でるよね~。中国とか、南米の友達もよく声を送ってくる。
日本やアメリカ人は音声コミュニケーションよりテキストを送りあうのを好む。
今日会う予定の彼の問題は、英語がそこまできれいではないので音声メッセージが聞き取りづらい。
パンテオンは観光地だし人が多い。無事に見つけられるんだろうか。と心配しながらパンテオン前に向かう。
しかしそんな私の心配も取り越し苦労に終わる。
待ち合わせ場所近くに着いたら、気が付いたようで向こうから声をかけてきてくれた。
やはり私のアジア人の顔立ちは分かりやすいよな…。
私の外見は、小柄で色白で黒髪ショート。顔は平らな典型的東アジア人のため、欧州や中東の人からすると実年齢より若く見られることが多い。
年齢を聞かれて答えると大抵びっくりされる。「うそでしょ!これがアジアンマジックか!」と。
10歳くらいサバよんでもバレっこないよな、マッチングアプリの登録でサバよんでおくべきだったか。
ともはじめ考えたが、いや年齢を重ね様々な人生経験を持ったからこそ出会う人との会話(異文化交流)を楽しめるんであって、あんまり若くて無知な女の子だと捉えられたくない。
ますますワンナイトスタンド狙いのかるーい男たちからお声がかかりそう。との結論に落ち着き、常に実年齢を登録し伝えている。
さて、今日のお相手について。
イラン人留学生のF(35)。ローマには8年住んでいて、イタリア語も流暢。
外見は、しっかりとした髭をたくわえており顔のほりが深く典型的な中東系のハンサムガイ。近くでよく見ると肌があまりきれいではない。
私の好みではないが、まあお散歩するだけだし楽しく話していいお友達になれたらいいな、という感じ。
大学でコンピュータサイエンスを専攻しながら、IT企業で働いてもいる。
職務経験をつけ学位もとって、さらに良い条件の職を探す最中らしい。
ローマに来る前イランでは、役者になる勉強をしていた。思い切ったキャリアチェンジだな。
じゃあまずコーヒーでも、ってことでパンテオン近くの彼おすすめのバル(イタリアでいうカフェ)でエスプレッソを頼んだ。
人気のお店らしく、店内は立ち飲み客で混んでいた。店内に座れるスペースはない。
店の外のテラス席も客であふれていた。
イタリアのバルのシステムは初心者にはわかりづらい。
まず、レジで注文し支払ってレシートをもらう。
その後、レシートをもって、カウンターの向こうにいるバリスタにレシートを渡してコーヒーを作ってもらう。店内か持ち帰りか、この時伝える。
とにかく混んでいたので、バリスタにレシートを並ぶまでに列ができていた。
Fがすべてやってくれたので助かった。
エスプレッソを持ち帰りで受け取って私たちは店を離れ、またパンテオン近くの広場に戻ってきて石段に座って飲む。
といっても、もちろんエスプレッソはとても小さいので、紙コップにはいったエスプレッソは二口でなくなってしまった。
彼の話を聞いた。
政情不安なイランを離れて、家族それぞれが欧米諸国で暮らしていること。
姉と両親はアメリカ、二番目の姉はドイツでそれぞれ仕事を見つけて暮らしている。
彼自身、家族が多くいるアメリカで仕事をすることも考えたが、姉のようにあくせく働いて経済的に豊かになるより、ヨーロッパ(南欧)の少しのんびりしつつも人生を豊かに楽しむ方が性に合っている。
私にはイラン人の友人が一人いる。アメリカ留学流の冬休み、LAに一人旅してAirbnbでアパートの一室を借りていた際に同じアパートの別の部屋を借りていたイランからの旅人と出会った。
リビングで他愛ない会話を始めて意気投合して、その次の週に私の留学先のシアトルでも再会した。
イランからの旅人の名前もFで全く同じだった。年齢も近い。別人だけれど、姉がシアトルに住んでいるというところまで同じだ。
LAで会ったFは、イランの劇作家・演出家で家族はアメリカにいるが、彼自身は現在もずっとイランで活動を続けている。
そのことを話すと、ローマのFは驚いていた。Fの名前はイランでもよくある名前なのかしら。そういえば、イラン人のお父様を持つ、ダルビッシュ有選手のミドルネームにも同じくこのFが入ってるな。
奇遇なことってあるのね~。お互い笑う。私にとってローマのFに対して親近感がわいた。
お互いのことを話していると、彼は純粋に東アジア文化や外国人に興味があって私のことを良い友人として見てくれていると感じた。
F「日本はいい国だし社会に問題がなさそうで良いよな。」
と言われ
なつこ「確かにイランほど政治に対して不信感を持つわけではないが、経済の停滞、高齢化社会の問題や世代間格差の問題など山積みだよ。政府の方策が信頼されているわけでもないし。現政権の政策に対して疑問を感じる点は多々ある。」
ざっくりと日本社会の問題を説明した。
F「なつこからポジティブなエネルギーを感じる、日本がどうかは置いておいて君の将来は明るい。本当に。一緒にいてポジティブなエネルギーがもらえるよ。」
ほんまかいな、なんだかスピリチュアルなこと言ってくる人だなあ。
私が笑顔で話していた(というよりむしろ彼の話を聞いてあげていた)からかな。
そりゃ、「うんうん。」って話聞いてくれたら誰だって嬉しいよな。無駄に笑顔になりすぎたか、これはある意味日本人のよくないところだな。感情が伴っていない笑顔も、ときにはある。
ローマの街の中を一緒に歩いて観光案内してくれた。
ナヴォーナ広場で写真を撮ってくれたり、土産物売りの露店が立ち並ぶところで、一緒にリモチェッロ(イタリア土産によくあるレモンのリキュール)を試飲した。彼は一本買って、私にプレゼントしてくれた。
F「はい。これ、なつこにあげる。ローマのお土産だよ。帰国後、これを見て僕のことを思い出して。」
うまいな~。そんなこと言われたら、本当にリモチェッロ見るたびFのことを思い出すようになるよ。
帰国してからも、大切にとってある。開けるのがもったいなくて。
ローマが舞台の映画「ローマの休日」で、アン王女が新聞記者にローマの街を連れまわしてもらったシーンを思い出す。
ローマは素晴らしい美術館がたくさんあることで有名だが、私にとっては街並み自体が美しい彫刻や建造物にあふれていて美術館のように感じられる。突然現れるローマ時代の遺跡に驚かされたりする。
これぞ、歩いていて絵になる街!って感じ。街歩きに最適。デートにもぴったり。
冬なのにあたたかく気候も良いし、オフシーズンで観光客も多すぎず、まさに休暇を過ごすのにふさわしい。
南欧の国は恵まれすぎている。気候に食べ物に歴史遺産。
にもかかわらず、GDPでいえばイタリアは世界8位。これほどの恵まれた世界遺産や食文化をもっていながら、もったいないと思ってしまう。政治経済がうまく機能していない。
主力産業の一つ、観光業においてもより改善を重ねて稼げるポイントがたくさんあるのに。
まず、観光地のトイレを整備してほしい。どうして、イタリアのトイレには便座がないの!女子トイレにも便器に便座がない。立ちながら用を足すには空気イスばりの筋力がいる、大なんてできたもんじゃない。
トイレ一つ見ても、この国には毎年大勢の外国人観光客が訪れるというのにサービス精神のかけらもないのか、と。
そして、観光客に人気の郊外スポットと大都市の直通バスを開通してほしい。
ローマ⇔バーニョレージョ、フィレンツェ⇔サン・ジミニャーノなど。これ作ったら大儲けできますよ、まじで。電車やバスを複数乗り継がないとたどり着けないので、効率悪すぎ。
日が落ちるころ、Fと強い夕日に照らされたテヴェレ川沿いをサンタンジェッロ城へ向かって歩いているときに、
F「イタリア男は軽薄でチャラくて最低だから、本当に気を付けて!彼氏には向かない、絶対おすすめしない。」
とアドバイス(注意喚起)してくれた。
F「友達としてなつこを大切に思っているから気を付けてね。」
と。
昨日のシェフはいたって安全な紳士に見えたけどな~、
食事の後で「やりたかった~(ナスの絵文字)」送ってくるあたり、シェフPは願望はあっても奥手なタイプなのかもしれない。
まあ、その辺は個々人によって幅があるだろうから気を付けるに越したことはない。
私はスペイン語圏に留学していたこともあり、なんとなーくラテンの男に気をつけなさい!の意味がわかる。
彼らは、狙っている女に彼氏がいようが夫がいようが、「今ここに彼氏(または夫)がいないなら関係なし!おれと楽しもう。」という勢いで迫ってくる。
Fは夕方から友人と会う予定があったため私とは6時ころ解散する予定だったが、友人がドタキャンしたためそのあとアイリッシュパブへ一緒にビールを飲みに行くことに。
Fが現金もカードも手持ちがなかったため食事に行くという話にはならず。私は街歩きが大好きだがさすがに3時間ほど歩いて歩き疲れてきていた。
空きっ腹だったこともあって、たった2杯で私は酔ってしまった。
Fはレシートの裏にアラビア語で私の名前を書いてくれた。これも、LAで会ったイラン人旅人のFが同じことをしてくれたな~と思い出して感慨深い。
アラビア語って面白い、理解できる気がしない。いや、案外やってみたら面白いのかも。
大学4年で就職が決まって卒業単位も取り終えて時間を持て余していたころ、サークル活動や友人との旅行に興じるだけでなく、アラビア語などの外国語を学習すればよかった、と後悔。
私の通っていた大学は、学生数が多い私立大学であったためか外国語の授業が充実していた。アラビア語もラテン語もあったな。私自身は、必修の第二外国語として韓国語を(最低限単位が取れるレベルに)学んでいた。
今でこそ、スペイン語と英語を習得し、他の外国語習得にも興味津々の私だが、学生の頃は英語すら興味がなく海外にもあまり行かなかった。人生不思議なものだ。人は必要に迫られないと勉強しない。
私は、彼の名前を日本語(ひらがな、カタカナ、漢字)で書いてあげた。もちろん彼にとって、日本語は未知の世界であり、面白がってくれた。
ビール2杯で気が緩んできたのか、Fは私の隣に座り腰や肩、髪を触ってきた。おでこや頬にキスしたり。
私の中の危険予知センサーが作動し、
(こりゃ、ほろ酔いと言えどよくないな~。そろそろお開きにするか。)
と思いながら、会計をし店を出て一緒にバスで移動し私の滞在するホステルまで送ってもらった。
ホステルの前まで送ってもらって、頬を合わせる挨拶をして別れる。
それにしても、Fの
「イタリアの男は下衆だから気を付けて!ぼくは友達だから大丈夫。」
は信頼できない。ラティーノに限らず、男はやっぱり隙あらばいつでも!だよな~。
今日も楽しい一日だった。リモチェッロもらったのはいい思い出土産になるな。
帰国したら酒好きの父と一緒に飲もう。
と満足して、ドミトリーの狭いベッドで眠りについた。
1人目:世界で活躍するイタリアンシェフから考えるグローバル人材
それは、イタリアに着いて三日目のことだった。
私はローマ滞在中に、絵葉書のような絶景を見るために一泊二日のエクスカーションでチヴィタ・ディ・バーニョレージョへ電車で出かけていた。
帰りにオルヴィエートへ寄って、豪快にトリュフがのったウンブリケッリ(地域の名物パスタ、もちもちしている)を食べて白ワインを飲んで満足していたものの、少しずつひとり旅のさみしさを感じ始めていた。
遅めのランチをとったのは、高級な感じのお店。友人や家族ずれで賑わう店内、ひとり客は私だけだった。
Tinderアカウントは、ローマに着いた初日に作成したが、なんとなく面倒・かつSIMカードのデータ通信を節約すべく全然チェックしていなかった。
とりあえずスワイプしておいたが誰とメッセージをやりとりするわけでもなく、Hi,Hello,Buonjorno とだけ送られてくる、山のようなかるーいメッセージを車中で眺めていた。
「一人旅の途中に、たまにはだれかと一緒に食事したくてアカウント作ったんだけどな・・・。」
まー、そもそもTinderやる男は99%ワンナイトスタンド目当てだしな。写真やプロフィール見ずに、ノールックスワイプしてるんだろうな。
と思いながらすでに始める前からめんどうくささで手が止まっていた。
私が右スワイプ(OK)の基準としているのは、以下三点。
ーーー
①写真が一枚でなく複数枚あること
→ハンサムに見える奇跡の一枚で実物と違う可能性があるため。
②プロフィールがある程度書かれていること
→ワンナイトスタンド狙いの人は職業・出身大学など身バレを恐れて、プロフィール情報を書かないため。
③プロフィール写真が裸の写真でないこと
→自分の胸や腹筋を見せてセックスアピールして、ワンナイトスタンド狙いが見え見えだから。
ーーー
そんな中、あるメッセージに目がとまった。
「今夜、一緒にごはん行かない?」
興味本位で、
「いいね!行こう。」
と返信し、その日の夜にローマで一緒にご飯へ行くことに。
プロフィールからわかることは以下。
35歳
世界を飛び回るイタリアンシェフ
住んだことのある国:スペイン、メキシコ、サウジアラビア、アメリカ、マレーシア…
複数の言語が話せるみたい。会う前に彼(P)から、
P:「何がしたい?ディナー、飲み?ドラッグ?セックス?」
とテキストが送られてきて、
これ本当に会っても大丈夫かいな…と不安になりながら
なつこ:「夜ご飯食べたいし、飲みたい。」
と返信。待ち合わせの時間は21:30
彼が、私の滞在しているホステルの前まで来てくれた。
いざ会ってみると、彼はベレー帽をかぶっているオシャレなイタリア人という風貌。
渡された名刺には、彼の写真の横にフードコンサルタントと書かれている。
個人として各国のイタリアンレストランでシェフとして働く傍ら、個人としてレストランのオープンや内装・メニューのコンサル業もしているそうだ。
Uberを呼んでくれて、とりあえずレストランがたくさんあるトラステヴェレへ行くことに。
車に乗り込んでから、彼がUberドライバーにおすすめのお店を聞く。イタリア語での会話が始まる。
それで結局私たちは、トラステヴェレではなくUberドライバーおすすめのオステリアがあるテスタッチョへ行先を変える。
イタリア語は分からない私だが、聞いているとやはりスペイン語とかなり似ている。なんとなく話の内容が分かった。
P:「ドライバーとの会話分かった?」
と聞かれ
なつこ:「なんとなくわかった、トラステヴェレじゃなくてテスタッチョのオステリア行くのね!」
と答えた。彼は英語よりスペイン語のほうが得意のようで、
P:「どっちの言語で話したい?」
と聞いてきたが、私は英語のほうが楽なので
なつこ:「英語でお願いします。」
とお願いした。
ーーー
土曜の夜、22時を過ぎていたがオステリアは地元の人たちでにぎわっていた。
彼は私に何が食べたいと聞くのではなく、
P:「僕の選ぶおすすめを楽しんで!」
と。さすがイタリアンシェフ、頼もしい。
ワインも私が赤が好きだと言ったら、赤でおすすめのものを選んでくれた。
私が求めていたのは、こういう時間!
食べ物や飲み物を選んでくれてその土地のおすすめを一緒に楽しむ。
会うのはひとり目だからとても緊張したものの、いい出だしだ。
これが、ビギナーズラックというものか。
トリッパ(牛の臓物トマト煮込み)も、付け合わせの
ほうれん草のような野菜の炒め物も、とてもおいしかった。
中でも私のお気に入りは、トリッパ。
アルゼンチンで食べたトリッパを思い出した。臭みのないトマト味がいきたトリッパ、アルゼンチンで作ってくれた友人のことを思い出した。
シェフの解説付きで食べられるなんて、なんて素敵な経験なんだろう!と
彼は、世界中で活躍するイタリアンシェフとしての経験を話してくれた。
なんと、ローマにいるのはこの3日間だけで明日にはすぐ中東のバーレーンで新しいイタリアンレストランのオープンを手伝う仕事のため旅立つとのこと。
今まで数年単位でいろいろな国を転々としてきたけれど、最近永住の地を探し求めていて、今回バーレーンでのオファーを受けた、と。
一度も訪れたことがないのに、永住の地として考えている、って思い切ったことをするもんだなあ。
先週までメキシコで三年間シェフとしてイタリアンレストランで働いていたらしい。
「メキシコはずっと住みたいと思えなかったの?」
と聞くと、やはりメキシコはドラッグマフィアの国。
道端のゴミ捨て場に人の片手や片足が紛れているのを見たことがある、と。
治安面で問題があると答えた。
私は旅でカンクン、グアナファト、メキシコシティへ訪れたことがあるが観光者レベルではそんな場面に出会わなかったので、ブレイキングバッドみたいな世界が本当にあるものなんだ…。と驚いた。
私は彼の話を聞きながら、以下のことを考えていた。
グローバル人材というのは語学が堪能うんぬんではなく、その人の専門分野がいろいろな国と地域から需要がありかつ質的に世界と戦えるレベルであることを改めて感じていた。
日本でいえば、エリート金融マンや商社マンのことを指すわけではなく、日本の伝統工芸品の職人とか美容師とか。世界で通用するかつ需要のある分野で手に職があれば、語学は二の次だよな。必要に迫られれば語学は身につくし。
そうか、実力があるイタリア生まれのイタリアンシェフは、世界各地にある様々なイタリアンレストランから引く手あまただな。働く場所に制限がなくてある意味自由などこでも生きていけるってすごいな、と。
イタリアに来る前にネットフリックスでイタリア移民の食文化についてのドキュメンタリーを見た。
取り上げられていたのは、ニューヨークとアルゼンチンに住むイタリア系家族。
アルゼンチンは南米の中でも人種構造が他と異なる。スペイン系とイタリア系が半々の白人の国なのだ。
というのも100年ほど前にヨーロッパへの農作物や食肉の輸出でアルゼンチンがGDP世界6位の経済的に豊かな国だったころ、多くのイタリア系移民が仕事を求めてアルゼンチンへ出稼ぎに出かけた。
母を訪ねて三千里のマルコの母もその時代の出稼ぎイタリア人の一人だ。はじめは出稼ぎのつもりだったが、定住する人も増え、結果多くのイタリア系アルゼンチン人がいる。
今回、私が旅先としてイタリアを選んだのは、アルゼンチンでイタリア系家族と出会ったことで彼らの先祖の祖国についてより理解したい、イタリアなまりのスペイン語を理解したい、という思いから来るものだ。
ニューヨークのイタリア系移民はミートボールスパゲッティを生み出し、それがあたかもイタリア料理かのように広めた。
しかしミートボールスパゲッティはイタリア料理ではない。移民が作った祖国を懐かしむ別のもの、ある意味アメリカ料理だ。というのをドキュメンタリーでいっていたのを思い出す。
話を元に戻そう。
ドキュメンタリーを見て心に残っているのは、アメリカにいるイタリア系移民の数は現在のイタリア人口を上回るという事実。
安定した経済基盤を求めて自国を出て行った人の数の多いこと。私の目の前のシェフも、10年以上外国で働いている。
「イタリアへの愛はもちろんあるけれど、ここで働くには経済的に問題があってね、、。」
と語る彼の顔が忘れられない。
深夜、おいしいご飯を食べ終わって、オステリアにタクシーを呼んでもらって、ホステルへ送ってもらった。食事もタクシーも私に払わせてくれない、紳士だ。
「今日はありがとう、もうつかれたから休むね、おやすみ。」
と私は言って、お互いの両頬を交互に合わせて「チュッ」と音を立てる
イタリア式あいさつ:バーチをしてお別れした。
顔を近づけてもロマンティックな雰囲気はなかった、最後まで安心。
いろいろと考えさせられる、いい出会いだった。
部屋に戻って、WhatsAppを見ると彼から
「やりたかったー、本当にやりたかった!イタリアを楽しんでね!」
とテキストが来ていて、笑う。
ぜんぜんそんな素振りなかったやん!と突っ込みたくなる。
「ありがとう、本当に楽しかった。」
と返信すると
「俺の(ナス絵文字)見せたかった~、旅の途中でイタリアの(ナス絵文字)もぜひ楽しんでいってね!」
と。
なるほど、そこはバナナではなくナスを使うのね、面白い。これってお国柄なのかしら。
いやいや、私そんなローカルフード(男)楽しんで食べまーす♪ってタイプじゃないし!って、苦笑する。
さて、これからどんな出会いがあるかな。ワクワクしていた。
はじめに(自己紹介)
自己紹介とブログの目的を。
なつこです。
年齢 :30代
性別 :女性
住居 :東京
言語 :日本語、英語、スペイン語
好きなこと:旅、酒、外国語学習
旅経験 :北米、南米、アジア、ヨーロッパなど25か国。
旅スタイル:計画を立てすぎない、自由気ままなひとり旅。
宿代は節約志向、飲み代は節約しない。
ブログの目的:旅の出会いの備忘録。経験から考えたことを綴る。
見た目 :こけし。
好きな映画:Before Sunrise(1995)
好きなアニメ:びじゅチューン
旅人のブログを読むのが好きで、以前は読むのみでした。今回、イタリア・フランス・スペイン1か月間周遊のひとり旅でTinder(マッチングアプリ)アカウントを作って
出会いがたくさんあったので、記録を残すことにしました。
書いてあることに間違いがあったら、ごめんなさい。趣味のレベルです。ブログ初心者です。
ブログに掲載している写真は、すべて私自身が撮ったものです。
●旅のルート(地中海を電車で周遊)
<イタリア> 二週間
ローマ、オルヴィエート、チヴィタ・ディ・バーニョレージョ、
フィレンツェ、サン・ジミニャーノ、シエナ、ピサ、ボローニャ、
<フランス> 一週間
<スペイン> 一週間
フィゲラス、ジローナ、バルセロナ
<出会った人々>
1人目:世界で活躍するイタリアンシェフP ★
2人目:イラン人Fとローマの休日 ★
3人目:短いデート with N
4人目:忘れられない、夜のローマ散策 with L
5人目:「Before Sunrise」のような夜 with A ★
6人目:ボローニャでトルコを想う ★
7人目:ヴェネツィアでGとほろ酔い ★
8人目:かるーい出会い♡Ale?
9人目:フランス語の先生LV
10人目:元・歌舞伎町のバーテンダーV ★
11人目:コンサルタントR
12人目:真夜中のバルでA
13人目:ひとり旅仲間K ①~⑥★
14人目:哲学者J
15人目:€2ショットバー with JJ
★:既に書いた分。
その他は気が向いたら、書いていきます。