13人目:ひとり旅仲間K ①出会い
グエル別邸、グエル邸のふたつに行ってみたもののどちらも閉まっていた。
↓
やけ食い(パエリア・タパス・ジェラート・クロワッサン)
↓
からの。
はて、何をしようか。
ガウディ建築の中でも人気の高い、カサ・バトリョへ行ってみるも行列。
並びたくない…明日来よう。
ということで近くの、カサ・ミラへ。
オーディオガイド解説を聞きながらじっくり見ることができ、大満足でした。
日中はひとりで観光、十分楽しいけれど夜は誰かと話したいな。
さて、今夜のお相手は、
まだ決めかねていた。そんな中、
K「今夜、ディナー行かない?」
というメッセージに目がとまった。
プロフィールを見ると居住地はベルリン。現在地はバルセロナ。
どうやら私と同じ、旅人っぽい。ドイツ人かな?
なつこ「いいね!」
K「寿司行こうよ!」
なつこ「いいよ、寿司でもスペイン料理でも。」
Kと21時に会うことに。
スペインでは夕食の時間が遅い。だいたい20時~23時くらいが夕食の時間だ。
アルゼンチンへ行った時もそうだったな。
ラテンアメリカの国は、スペイン文化の影響を受けているから当然だ。
バルセロナの観光地は20時くらいまで空いているから、ちょうどいい。
じっくりカサ・ミラを楽しんでから行ける。
結局、寿司ではなかったが、Kがお店を指定してくれたので地下鉄で向かう。
レストランではない、バーだ。
Mr.Robinson
というバーで会う予定だったが、いっぱいで入れなかったらしい。仕方ないので、その近くの
Paradiso
という別のバーで会うことに。
地下鉄乗り間違えて、30分ほど遅刻してしまった。私としたことが…。
店に着くと入り口には行列の客が。Kに電話して、店の外に出てきてもらう。
背が高い、大きめの黒縁メガネをかけた男性が出てきた。
はっきりした眉。ひげはきちんと剃っている。
ひげがない男性久しぶりに見た、珍しい。おしゃれで清潔感がある感じ。
彼がKだ。
なつこ「30分も遅れて、ごめん!本当にごめん。第一印象わるいよね。」
K「大丈夫、先に店内に入って席確保しておいたよ。」
(入口の用心棒の男性に対して、)
K「彼女はぼくの連れ。入ってもいいですよね?」
用心棒「少し待って、スタッフに確認する。」
しばらく待ってから、店に入ることができた。
すごくオシャレな雰囲気のバー。都会的でもあって、リゾートっぽくもある。
そうか、バルセロナってヨーロッパに住んでいる人にとって
日差しを求めてくるリゾート的な面があるよね。ビーチもあるし。
ぶどうの形をしたグラスや、アイスクリームコーンの形をしたグラスにカクテルが注がれてくる。
写真撮っておけば良かった!いや、その時は携帯取り出してパシャリとするのが、なんだか恥ずかしかったのよ。素敵なバーに連れてこられて、緊張してたから。Kは慣れた様子だったし。
ひとりだったら来ないようなところだな。周りも男女で来ている人ばかり。
奥の席で飲みながら、話す。今回私は、誰かと話したくて彼のことをよく知らないまま会うことにした。なんと無防備な。
あたたかいバルセロナに着いて開放的な気分になって、飲みたい気分だった。
K(31)
イラン出身、
ドイツのベルリンで働く整形外科医。
休暇で10日間バルセロナに太陽の日差しを求めて来ている。
ん・・・ ?
イラン人?
整形外科医?
どっかで聞いたことあるな。
そうだ、今までの旅で出会った
2人目:ローマで出会ったイラン人(35)
を思い出して、驚く…!ピンポイントでかぶせてきたな。私、何かしらイラン人と整形外科医にご縁があるみたい。
私がびっくりして、しばらく固まっていたので、英語で説明した彼の仕事が理解できなかったのかとKは誤解し、
K「整形外科医って、ひざの手術とかする外科医だよ。手術の写真見せようか?」
なつこ「いえ、結構です。血とか骨とかぐろいの見るの無理!整形外科の扱う範囲は、何となく理解しているから大丈夫。」
K「写真見せるって言ったのは冗談だよ。(笑)」
冗談言ったり、陽気な奴だ。でも、丁寧で紳士的な印象。
アプリでメッセージやりとりして、3時間後にすぐ会おうなんてどんな軽い男が来るのかと思ったら、そうでもなかった。のだろうか?
逆に、すぐ会える女、かるい女と思われてたら都合が悪いな。警戒して、私はこわばっていた。
この旅のなかで、マッチングアプリで旅人に会うのは初めてだった。ドイツで働いているってことは、所得高そう。同じ旅人といえど、旅のスタイルも私とは違って毎晩のようにいいお店行ってるのかな。滞在しているホテルを聞いたが、私の宿泊先より安いところだった。
なつこ「このバー、以前に来たことあるの?」
K「いや、初めてだよ。友人にすすめられて。来たいと思ってたんだ。今日入れなかった方の、Mr.Robinson は以前に友人と行ったことがあって。でも実際来てみるとこっちのPradisoの方がイイね。よかった。ほら。おれ、バルセロナで行きたい店リスト作ってるんだ。」
スマホのメモ欄を見せてくれた。レストランやバー、ホテルのリストがずらっと並んでいる。
なつこ「それ、私にもシェアして!すごいね。」
K「いいよ。あとで送るね。ここ地下で電波弱いんだ。おれ、将来バルセロナに移住しようと思ってるんだよね。」
なつこ「移住っていつ?」
K「二年後。研修医期間終わったら、弟と両親と家族みんなでバルセロナへ移住しようと計画してる。」
なつこ「へえ、家族みんなでなのね!本格的な計画を持ってるのね。」
K「ベルリンは暗いし、寒い。ドイツは働くうえで給料はいいけどね。今回10日間バルセロナに来たのは、将来住むことも見据えてお気に入りの店とか開拓する目的も兼ねてる。」
なるほど。
我々はひとり旅仲間だ。旅先にバルセロナを選んだ理由が私と同じ「太陽の日差しを求めて」だ。日本の二月は寒い、天気も良くない。ベルリンも似たようなものらしい。
一杯飲んで、店を変えようかとしたがバーカウンターが素敵だったので、席を移動して
もう一杯飲む。
Kは、カクテルを自分で作るのも好きらしく、バーテンダーとカクテルの作り方について楽しそうに話していた。
K「ベルリン来たら、カクテル作ってあげるよ。僕の部屋で。遊びにおいでよ。」
なつこ「ドイツ、行ったことないな。ベルリンもいつか行ってみたいな。
Kと会えたから、次の旅でベルリン行くきっかけができたね。
こんど、9月にロンドン行く予定あるし、ついでに寄ろうかな。」
と言いつつ私の心の中は、
外科医で、カクテル作るの好き、とかチャラそうなやつだな。よく女の子ひっかけてんのかな。
まだまだ警戒モード。
Kはバルセロナに旅行に来るのは、3回目だという。1度目は家族で。2度目は彼女と。
今回は、ひとりで。
よほど、バルセロナが好きなんだな。今回は10日間ずっとバルセロナで太陽の日差しを楽しんでいるらしい。
日本人は、なかなかこんな旅の楽しみ方しない。というか、できない。たいてい日本人は、バルセロナに3日間くらい滞在して、時間を惜しんでサグラダファミリアやグエル公園、カサ・バトリョなどの観光地を巡って、別の都市へ移動してしまうだろう。日本からスペインは遠いし。まず、休みが取れないし。
興味深いので、聞いてみる。
なつこ「10日間ずっとバルセロナって。毎日何をして過ごしてるの?」
K「レンタサイクルを借りてて、街をめぐったり、ビーチで飲んだり。ホテルのルーフトップバーでのんびりしたり。こっちに友達もいるんだ。たまに友達に車で観光地連れて行ってもらったり。」
太陽を楽しむ、ってそういうことなのね。のーんびりした旅、ちょっとあこがれる。
K「おれ、あと一週間バルセロナにいるから滞在中一緒に何かして遊ぼうよ。」
なつこ「いいね!」
友達ができた。と思っていいのか、それともこれは社交辞令か?分からん。Kは社交的な人。店員やほかの客とも親しげに話している。
K「なつこはいつまでバルセロナにいるの?」
なつこ「まだ、決めてない。でも最低一週間は滞在するかな。いま一ヶ月くらい旅をしていて。南仏をまわって、バルセロナに入ったの。スペイン語話す練習もしたいし。」
K「決めてないんだね!日本人って事前に計画を立てるイメージだから、意外。っていうかスペイン語話せるんだね。いいね。」
なつこ「旅の前半は、宿とか電車予約してたけどね。今回は長い旅だから。こうやって全て事前に決めないで旅するのは、わたし初めてなんだ。」
旅の前半で、予定をきっちり決めすぎて失敗した。5人目:フィレンツェで出会ったA を思い出す。この旅のなかで、唯一ときめきを感じた出会いだった。
また会いたかったが、私が旅程を事前に決めすぎていたせいで、チャンスを逃してしまった。その失敗以降、宿・電車を当日におさえる柔軟なスタイルに変えたが、Aのあとはときめく出会いはなかった。
そもそも旅の出会いでは、ときめきを求めてない。求めているのは、友人や友情。さて、今日の出会いはこのあとどうなるかな?
Kと二杯目を飲み終えて、私たちは二軒目へ移動することにした。
フラれてヤケ食い
旅の最終目的地、バルセロナに着いた。
この三週間でローマから旅をスタートさせ、イタリアから南仏まで地中海をずっと鉄道で移動してきた。
何日滞在するかは決めていないが、バルセロナではモデルニスモ建築を訪れたいと考えていた。
6年ぶりのスペイン。
前回はバルセロナに二日しか滞在せず、ゆっくり街歩きを楽しめなかった。
今回こそ、自由気ままに暮らすように過ごしたいと思った。
午前はホテルでゆっくり過ごして、正午からカタルーニャ音楽堂でクラシックのコンサートを聴いてきた。
開演3分前にチケット売り場で当日券€15を購入し、気軽に中に入ったがコーラス50人+弦楽器+オルガンの期待以上の豪華なクラシックコンサートだった。
こういう、歴史的な観光地兼イベント開催場の場合は、コンサートなり演劇なりイベントのチケットを買って入場するに限る。
観光客向けの内覧ツアーにお金を払うのはもったいない!
バルセロナには3種類の観光者割引パスがある。
・美術館巡りならアーティケット、
・建築物巡りならルータ・デル・モデルニスモ、
(違いなどは他の旅人のブログなどを見てください。)
私は建築に興味があったので、各所で割引が得られる「ルータ・デル・モデルニスモ」を得るべく中心街から離れたアクセスの悪い、グエル別邸へ向かっていた。
土日は、「ルータ・デル・モデルニスモ」はグエル別邸でしか購入できない。今日は、日曜日。
30分かけてグエル別邸に到着したが、門には張り紙が。
「職員の都合により、本日はルータ・デル・モデルニスモ事務所を閉めています。」
ガーン!
やられた…。せめてウェブページにその情報をのせておくれよ。わたしの往復一時間が無駄に。
まあいい。今回はバルセロナ滞在時間あるから。
気を取り直して、グエル邸をみるべく地下鉄で30分移動した。グエル邸の前に着くと、また張り紙が。
「ストライキで本日閉館。」
がーん!!(二回目)
これも、ウェブページに情報を載せておくれよ。
と、また愚痴る。うまくいかないことが続くものだ。
イライラしたので、この後はやけ食いしてしまった。
はい、美味しかったです♪
以上。旅で食べたもの記録みたいになってしまった…。
旅のトラブル(イタリア編 その2)
前回は、ヴェネツィアにて水上バスヴァポレットのチケットを買うことができず乗船したら、罰金€50を取られた。
公共交通機関の罰金関係で、もうひとつトラブルがあった。
それが起きたのは、ミラノ→ジェノヴァ へ向かうトレニタリアの電車内で。
ーーー
イタリア国鉄の場合、日本とは違って改札がないので、乗客は自分でチケットを刻印機に通し、刻印をした上で車両に乗り込む必要がある。
車内で、車掌による検札があるので、その際にチケットに刻印がなければ罰金の対象になる可能性がある。
ーーー
はい、私は切符を購入したものの、刻印機に通さず乗車してしまいました。
車掌に、電車での罰金€40をその場で支払うよう催促された。
車掌「ルールはルールだ。こっちに来て罰金払え。」
なつこ「すみません、そのルールを知りませんでした。
きちんと切符を買って乗車したのに、罰金を払わなくてはならない意味が分かりません。」
(私は、本当にそのルールを知りませんでした。)
車掌「刻印機に通さないと、罰金なんだよ。知らなかった、じゃ通用しない。罰金払え。」
なつこ(車掌を無視)
車掌「電車降りたら、警察連れてくぞ。」
なつこ「問題ありません。罰金払わなければならない意味が理解できません。それでは、またあとで。」
結局、終着駅のジェノヴァに着いたあと、車掌は私のところへ来ませんでした。
ので、普通に電車を降りて宿に向かいました。
なんだ、無視すれば払わなくて済むのか。車掌って、いい加減な仕事だな。
と思った。
あとからガイドブックを読んで、刻印機に通すルールを知りました。
(やってしまった…。悪いことしたな。)
でもヴェネツィアのヴァポレットで既に罰金€50を払っていた私は、あの時どうしても払いたくなかった。二度目の罰金だなんて。
強気で押し切りましたが、このやり方はおすすめはできません。
旅のトラブル(イタリア編 その1)
ついてない。
本当に運が悪い。
ヴェネツィアの水上バス、ヴァポレットで罰金 €50! 取られた。
乗船時に有効なチケット(一回券:€7.5)を持っていなかったからだ。
どうすればよかったのか。あれは、致し方なかった。
それは日曜の朝。ヴェネツィア二日目。
私はヴェネツィアのジュデッカ島の宿を出て、中心市街地であるサンマルコ広場へ出ようとしていた。
ヴォポレットのチケットが購入できるタバッキ(イタリアのコンビニのようなもの)は私の宿の近くにはひとつしかなく、日曜日であったためそのタバッキは閉まっていた。
チケットが買えないまま、ヴァポレットに乗り込んだところ
チケットチェックのスタッフが来て、
スタッフ「チケットを見せろ」
と。
なつこ「乗船前にチケットを買いたかったんですが、ジュデッカ島のタバッキが閉まっていて買えなかったんです。」
スタッフ「じゃあ、罰金ね。€57.5 出して。」
なつこ「いや、だから説明した通り、私は乗船前にチケットを買いたかった。けれど、ジュデッカ島のタバッキが閉まっていて買えなかったんです。いま、チケット代の€7.5払わせてください。」
スタッフ「乗船後すぐ、船を運転している人にそれを説明した?」
なつこ「いえ。忙しそうだったので。いま、まさに行こうとしていました。払おうとしていました。払おうと思っていました。」
スタッフ「はい、すぐ行かなかったあなたが悪い。今払うべきはチケット代じゃなくて、罰金ね。€57.5 出して。」
なつこ「いえ、でも島のタバッキが日曜日で閉まっていて買えなかったんですよ。」
スタッフ「文句言わず早く罰金払え。€57.5! カードと現金どっちがいい?」
スタッフが声を荒げるので、他の乗船客からの視線が集まる。
周囲は、あーこいつ見つかっちゃったな。運悪かったね~。という雰囲気。
(なつこ、仕方なく手持ちの現金€60を出す。)
スタッフ「おつりがないな。今、€10しか持ってない。あなた、€7.5持ってるでしょ?」
なつこ「ありません。」
スタッフ「じゃあ今回はディスカウントね。はい、おつり。」
と言って、€10を返してもらった。
ん?罰金にディスカウントって何?
あのスタッフ、私が現金で払ったのをいいことに、まさかあの€50を
自分のポケットにしまうんじゃ・・・?
と思わざるを得ない瞬間だった。こいつ真面目に仕事してないんじゃないの?
最悪。運が悪い。
ヴァポレットに乗らないとどこにも行けないという、アクセスの悪いジュデッカ島の宿を選んだことを心から悔やんだ。
それに加え、
前日滞在していたボローニャのホステルのベッドで寝ている間にダニに刺されて、
背中や手足が十数か所もパンパンに熱をもって腫れていた。
二週間はひきずりそうな熱を持った腫れ具合だ。
こんなにも酷くダニに刺されたのは、人生二回目だ。
アメリカにホームステイしていた時のベッドでも刺され、熱を持った腫れが二週間続いた。
冬の旅であるため、日本からかゆみ止めも持参してきておらず、つらい。
まず、ヴァポレットを降りたら薬局に行ってかゆみ止めを買おう。
旅の体験記を書くことを選んだ以上、旅の失敗談はネタとして、感謝すべきか。
失敗のない人の旅行記なんて、面白くもなんともない。
Tinder(マッチングアプリ)で気をつけること(女性向け安全対策)
わたしは今回のヨーロッパ旅で、初めてマッチングアプリのアカウントを作りました。
日本では、マッチングアプリは使ったことがありません。
今回、マッチングアプリ(Tinder)に求めていることは以下2点。
①現地の人との出会い(友情)。
直接話をして、その土地・国の文化や生活、言語、社会問題について知りたい。
②一緒に食事をする相手がほしい、一緒に楽しく飲みたい。
鉄のパンツをはいた女です。
ワンナイトスタンド狙いはお断り、恋愛関係を求めているわけではありません。
市場の需要と供給の関係でいえば、Tinderにいる男性の95%が求めているのは気軽な関係(ワンナイトスタンド)であり、危険な目に遭わないよう常に気を付けていました。
独断と偏見にまみれていますが、以下わたしの気をつけていたことをまとめました。
<マッチングする前 気をつけていたこと>
①プロフィール写真が一枚でなく複数枚あること
→ハンサムに見える奇跡の一枚で実物と違う可能性があるため。
②プロフィールがある程度書かれていること
→ワンナイトスタンド狙いの人は職業・出身大学など身バレを恐れて、
プロフィール情報を書かないため。
③プロフィール写真が裸の写真でないこと
→自分の筋肉を見せてセックスアピールして、ワンナイトスタンド
狙いが見え見えだから。
<会う前 気をつけていたこと>
①ワンナイトスタンドをにおわせるような言動があれば、会わない。
②会う時間帯があまりにも遅い(22時以降に飲みに行こう!等)を提案されたら、
会わない。
③アジア人女性が好み!と言う男性とは会わない。
→アジア人女性=かるい、すぐやれる。という偏見を持っている恐れがある。
アジア人女性と経験がないから、とりあえず一回やってみたい。と
思っている可能性大。
簡単な日本語でメッセージを送ってくる人に対しても警戒していました。
④まともな英語が書けない人とは会わない。
私はヨーロッパ旅で出会う人とは、英語でコミュニケーションをとっていました。
会ったときに、お互いのことやその国の文化などを英語でしっかり話し合いたいと思っていたからです。
イタリア語やフランス語、スペイン語を母国語とする人からすると、英語を習得して自由に書いたり話すことのハードルは(日本人に比べて)低いのかなと感じました。
3,4,5か国語を話す人にもたくさん出会いました。
ミスコミュニケーションがあると、トラブルに巻き込まれかねないので、
英語でテキストメッセージがまともに書けない人はお断りしていました。
<会った時 気をつけていたこと>
①酒を飲んでも酔いすぎない。
②フルネーム、勤務先、SNSなど本人が特定される情報を与えない。
③夜に出歩く際は、持っていく荷物は必要最小限。(携帯電話と少額現金のみ)
→会うお相手を警戒するだけでなく、帰り道での盗難リスクを減らすため。
私は、決して美人ではありません。見た目は「こけし」。
しかし、Tinderの利用者数は男性が圧倒的に多く、女性がマッチするのはいたって簡単です。
女性は、安全な男性を選ぶ必要があります。
私は運よく危険な目には遭いませんでした。それは、
・会った人をすぐには信用せず、
・あいまいな態度はとらず、
・いやなことはイヤ!とはっきり伝え、
①命を守ること
②貞操を守ること
③持ち物を守ること
上記を、十分に気をつけていたからだと思います。
シャイな日本人女性、というステレオタイプには当てはまらないですね。
さいごに・・・
安全な旅先での出会い(友情やロマンス)を求めるのであれば、
語学ができることは大前提です。
ヨーロッパ 一ヶ月 旅の費用
【結論】30日間の旅でかかった総費用:約50万円
(当時の為替レート:€1=122円前後)
渡航時期:2月
<内訳>
●日本からの往復航空券:14万円
→オフシーズンだが出発一週間前に購入したため、安くはない。
早めに購入すれば抑えられる。
●現地での交通費(鉄道・バス):6万円
→イタリア・スペインは鉄道が安いため、ユーロレイルパスは不使用。
前半二週間のイタリアは旅程を決めて事前に高速鉄道を予約したため、割安で購入できた。
当日購入€40
のところ二週間前のオンライン事前購入で €20 になった。
●宿泊費:10万円(30泊合計)
→平均 3,350円/泊
オフシーズンのため安い。
前半は、一泊1,200~3,700円のホステルのドミトリー部屋(4~8人部屋)。
後半は、疲れてきたのでホテルの一人部屋4,000~6,500円。
宿は、前日か当日にbooking.comで予約した。
●食費:14万円
→昼も夜もグラスワインを飲んでいた。昼:€25、夜:€30 程度を意識していた。
●観光地入場料:3万円
→短期旅行者ではないので、〇日間有効シティパス、などは購入せず。
バチカン美術館、アカデミア美術館(フィレンツェ)はオンライン事前予約、
事前予約料€4程度とられるが、その価値はあった。
●土産代:3万円
→購入したのはミュージアムショップでセンスのいい小物、ヴェネチアングラス、
現地スーパーでワインなど。
長期旅行のため荷物が小さくお土産を入れるスペースがなかった。仕方なし。
イタリンアンブランドのバッグを買いたかった。
<所感>
ヨーロッパを訪れるのは初めてであり、費用がかさむことを恐れていたが、
想定通りにおさまった印象。
ヨーロッパ旅の前にインド二週間ひとり旅(ハイシーズン)も経験したが、
連日良いホテルに滞在し総費用は25万円だったことを考えると、今回の
ヨーロッパ旅のコスパは良かった。
→今回のヨーロッパ旅においては、マッチングアプリで出会った殿方が食事を
払ってくれるときもあったため。女子の特権ですね。感謝、感謝です。
6人目:ボローニャでトルコを想う
フィレンツェでのAとの夜が忘れられない。
Aのお誘いを断ってしまった後悔を引きずりながら、予定通りボローニャ行きのイタロ(高速鉄道)に乗り込む。
電車は30分遅れだった。
このままもっと遅延して、移動できなくなって、フィレンツェにもう一泊出来たら、またAに会えるかも。
彼は今日16時に仕事終わるって言っていたし…。
急に会えると言ったら、Aは喜んでくれるだろうか。もう少し一緒に過ごしたかった。もう一度会うことができたら。。
未練たらたらである。情けない!
私は旅人。
電車やホステルをあらかじめ予約する必要はなかったと後悔しているが、出会った人のために旅程を変える決断はできなかった。正確には、やろうと思えばできたけれど、しなかった。
まず私の旅自体が存在して、突発的な出会いはそれを彩る副産物にすぎない。旅程は変えないし、旅先で恋に落ちることはない。現実は、映画のようにはいかない。
と言い聞かせていた。同時に、
男で負った傷は、男でしか癒されない。とも考え始めていた。
ボローニャでは、Nと会う予定だった。電車が着く15時頃にまず駅で会う予定だった。
やり取りでは、とても丁寧で好意的で思いやりにあふれた、良い人という印象。英語(書き言葉)は完ぺきではないが、丁寧なやりとり、情にあつい人柄が伝わってくる。
N「僕の部屋に泊まっていいよ。」
ともテキストされたが、
なつこ「会ったことがない人のところにいきなり行って泊まるなんて、恐ろしすぎる。」
と正直に返信。
待ち合わせでちゃんと会えるか心配だったが、
N「なつこがどこにいたって見つけるよ。大丈夫。」
と。うーん、なんだその映画みたいなセリフ。
職業:Orthopedic って、、、
整形外科医か!
どうしてボローニャなのかしら。
私はアメリカ留学してすぐのころ、すこしだけトルコ人のHと付き合っていた。
Hは、トルコの首都アンカラ出身でマイクロソフトのエンジニアだった。
大学院からアメリカ西海岸で過ごしphDを取得し、アメリカには当時7年くらい住んでいたが、アメリカ生活に馴染むでもなくトルコ大好きでトルコに帰りたいと思っている人だった。
彼自身は彼の両親ほど敬虔なイスラム教徒ではなかったが、豚肉は食べないし酒も飲まない、コーヒーすら飲まなかった。婚前交渉もなし。30歳の童貞男だった。
トルコ人には珍しい。
マザコンで、
「トルコ人以外の女性と結婚するとママが悲しむから、なつことは将来は考えていない、でも好き!大好き。」と言っていたのを思い出す。
大学院からアメリカに住んでいるし、英語は完ぺき。
だけれどトルコ人訛りの発音。いつも冗談いってばっかりで面白くって、情にあつい、良い人だった。
Hと出会う以前に、大学の卒業旅行でトルコ(西側)を一通り巡ったたことがある。
パムッカレ、カッパドキアなどの雄大な自然、トロイ遺跡、イスタンブールのアジアと欧州の文化が混ざり合った感じがとても印象的でよかった。また行きたい。
ただ、料理はあまり好きではなかった。アメリカでトルコ人彼と一緒に行った彼おすすめのトルコ料理店も、私にとってはいまいちだった。
食べ物の好みが合わないのは一緒に付き合っていくうえで難しいな、と思ってしまった。私は刺身や寿司が好きなので、生の海産物が一緒に楽しめない人はつらい。
Hは元気にしているだろうか。グリーンカードをゲットしたらすぐトルコに帰るって言っていたな、トルコの政治動向を追うのが好きでYoutubeでいつもトルコの政治関連の動画を見ていたな。
そんなことを思い出しながら、電車は30分遅れでボローニャに着く。私は小さいスーツケースとリュックを持っていたので、荷物をまず宿に置きたかった。
(先にホステルで荷物おいてくる、電車も遅れたし駅では会えないごめん。夕方会おう。)とNに連絡した。
Nは駅の近くに住んでいるので大丈夫だろう、と思っていたが、ちょっとした行き違いがあり、携帯の電池が切れたNはしばらくボローニャ駅で私を待っていたみたい。申し訳ない。
この日の宿は、ボローニャの駅から徒歩15分くらいのホステル。設備や築年数に対して割高な印象。4人部屋、女性用ドミトリールームのベッドひとつを借りて€30、朝食付き。
ハズレか。運が悪い、そんな日もあるよね…。
私はイタリアに着いて1週間以上たち、洗濯物がたまってきたのでホステルの洗濯機(コインランドリー)でこの旅初めての洗濯をした。洗濯:€1.5、乾燥:€1で安かった。
夕方になって日が落ちるころ、ボローニャの中心マッジョーレ広場あたりへ歩いて行った。
ボローニャはボロネーゼで知られる。美食の街。ハムで有名なパルマも、まあ近い。
エミリア=ロマーニャ州のおいしいもの食べられるかな、と期待しフィレンツェとヴェネツィアの間に一泊することを決めたのだ。
ローマやフィレンツェのようなロマンティックな街並みではなく、交通の要所・経済的で近代的な都市という印象。金曜の夜、町の中心のレストランが賑わうエリアは人であふれている。
Nと会うのは19時の予定。ふらふらと1時間ほどマッジョーレ広場周辺を散策した。
結局彼が遅れて会えたのは19:30だったけれど。ネプチューン像の近くで会った。
Nは、身長190cm、ほりの深いトルコのハンサムガイという感じ。
カイトサーファー、筋肉質、長身、外科医で。こりゃモテるだろうな。
話してみると、テキストでやり取りしていた優しい丁寧な感じとは違う印象を受けた。Nは英語を話すのがあまり得意ではないこともあり、簡素なそっけない感じ。
彼は前日よく寝ておらず、来週の試験に向けて勉強に追われ忙しない生活の中で疲れているようだ。おなかもすいていないようだった。
私はボローニャらしいものが食べたい、と言ったが
N「ごめん、ボローニャにいてもトルコ料理を食べているから、イタリア料理の店はよく知らない。適当に歩いてお店を探そう。」
残念。でも、トルコ料理食べに行くよりましか。
とりあえず、賑わっているバルのような店に入った。ワインが売りのエノテカみたい。小さいパニーニのような軽食とワインをいただく。
彼はムスリムで豚肉が食べられないので、ターキーのサンドイッチを頼んだ。(英語で。)ワインは飲めるようだ。二人で一本なら飲めるでしょう、と注文。
Nは、トルコ人。30歳の研修医、整形外科医。
トルコのアドゥヤマンという小さい村の出身で、イスタンブール大学を卒業してイズミールの病院に勤務している。トルコのエリートであることがうかがえる。
今回、ボローニャの病院にひざの手術の名医がいるため、彼から手術を学ぶべく2か月間研修に来ていて、もうすぐ研修を終え来週末トルコに帰る予定。今は病院での仕事に加え、最終レポートなどに追われていて寝る時間も確保できないくらい忙しい、と。
Nは2か月間イタリアに住んでいるなら、レストランの注文くらいイタリア語ですればいいのに。イタリア語を全く学ばないのは勿体ないな。旅で来て1週間の私ですら、精一杯へたくそなイタリア語で注文しているというのに・・・。
と考えてしまうのは、私が外国語習得に熱心なタイプだからだろうか。
Nは昨年、別の研修でドイツにも2か月間住んでいた。ドイツに比べると、イタリアは人の感じもトルコに似ていてあまり文化ギャップを感じない。地中海沿いの国はどことなく似ている部分があるのかな。見た目でいえばたしかにトルコ人は、ドイツよりイタリアのほうが外見が似ている分馴染みやすそう。
イタリア人は明るいし、人生を楽しんでいる感じがトルコ人と同じだ。ドイツは暗くて寒くて、一緒に働く人々もまじめだけれどあんまり好きじゃなかった。と。
医師で30歳って、日本でもそうだけれど専門医試験を控えていて仕事も勉強も大変な時期だよな。と、彼のハードワークっぷりを想像する。私は医師ではないが、日本では恒常的に1日14時間ほど働いているので、分かる。つらいよな。と共感を示す。
Nが日本の労働環境や経済、外国語教育について色々興味を持って聞いてくれたので、私の考えを話した。
なつこ「私のような長時間労働者は日本では一般的ではないが、社会問題となるくらい一定数(特に都市部)は居て、組織によっては労働時間に対して正当な残業代が支払われないところもある。ここ数年で政府が解決に取り組みはじめた問題のひとつであり、まず大企業から長時間労働を減らそうとする動きが実質的に始まっている。
日本は義務教育で小学校から英語学習を取り入れており、高校まで多くの日本人が英語の読み書きを学ぶわりには話せる人が少ない。指導する側にも流暢に話せる人材が多くないことが原因だと考えられる。」 など。
Nはトルコでの医師の年収(30歳)についても教えてくれた。月収€2,000ほどだと。それでもイスタンブールの普通の大卒会社員の3倍くらいだよな、きっと。と考える。
ワインボトルが空になると、私たちは店を出て駅へ向かった。私のホステルも彼のアパートも近い。彼からはロマンティックな雰囲気を感じず、友達という感じだ。
Nは2か月間の短期滞在であることもあり、住まいはアパートの一室を借りているらしい。バス・キッチンなど共用。イタリア人カップルとシェアしている。月の家賃は€425、安宿に一泊€30払っている私からすると、うらやましい。
スーパーで一本ワインを買って彼の部屋へ行って、Nの好きなテクノミュージックを聞きながら少しワインを飲んでから、ホステルに送ってもらった。
人から借りているアパートの一部屋に「泊っていいよ」って勝手に(見知らぬ旅人に)許可出していいものか?おおらかな発想だな~。
Nのイタリア生活も残すところ1週間。明日は初めてローマに観光に行くらしい。朝6時の電車に乗っていく。仕事と勉強で忙しい中、時間を作って最初で最後のイタリア観光。
「また、トルコか日本か。世界のどこかで会おうね。」
ホステルの前まで送ってもらった。
これくらいがちょうどいい。と感じた。
ハンサムな彼と話して心通じ合って、少し飲んでほろ酔いになって。楽しかった。
また、トルコにも遊びに行きたいな。イズミールか。美しいエーゲ海とローマ遺跡が魅力的だな。
こうして旅を進めて新たな出会いに日々刺激を受ける中で、昨夜フィレンツェで出会ったAへのもやもやとした気持ちも徐々に薄れていくんだろうか。
ボローニャの空を眺めながら、そんなことを考えていた。